さあ、ここからはいよいよ第三問、長文問題へと入ってきました。2021年度からの共通テストでは、より長文読解力が求められます。今高一、高二の生徒さんたちはこのセンター試験を解いてみて長文読解力をしっかりとつけていきましょう。国公立二次を受けられる受験生のみなさんも私立大学の入試を受けられるみなさんも、長文を読むコツをつかんでください。
センター試験第三問の解答解説
第三問
第三問A:不要文問題
この問題は下線部の中で1つだけ不要な文があり、それを選ぶ問題です。最初のセンテンスをいくつか読んで「〜についての話題だな」と思うのは間違いです。「〜が・・・である」という話だなと思うようにしてみてください。それだけで不要文は見つけられるようになります。
問1:訳
NBA、北アメリカにおいて最も大きなバスケットボールリーグであるNBAの歴史の初期において、試合の点数が低いことが度々あり、その結果常に試合は楽しめるものではなかった。①その最も典型的な例は1950年のレイカーズ対ピストンズの試合である。その試合の結果は19対18でピストンズの勝利であった。こうした試合にファンはイライラを募らせ、得点を増やすための新しいルールを導入するという大きな動機づけとなった。そのルールとは24秒以内にシュートを打たなければならないというものである。②この時間制限のプレッシャーによって選手たちはシュートを外すことが多くなった。③多くの議論が重ねられて、このルールは1954年の10月30日の公式試合で初めて適用された。④それ以来、それぞれのチームが1つの試合で100点以上の点をあげることも度々あるようになった。この単純なルールの変更によって試合はより楽しめるものになり、リーグが救われたのである。
まず、下線部までの部分を読むと 「NBAの初期の頃は試合で点数があまり入らず、その結果試合も常に楽しいものであるとは言えなかった。」とあり、「低いスコアのせいでゲームがつまらないことがあった」ということですね。この流れを大事に①を読むとその低スコアのゲームの例なので、前の部分とつながる。その後に得点を増やすために新しいルールが導入された とありますね。ポジティブな方向に向かっていかなればならないのに、②は否定的な意見になっているので、おかしい。じゃあこの②を無しにして前からつながるか確かめてみるとつながりますね。③と④も新ルールが適用され、高得点につながったという流れだからいい流れ。最終文へとも繋がる。ということで
②が不要文
問2
あなたは今までに言われたことがあるかもしれない。「背筋を伸ばして座りなさい。さもなければ腰痛になりますよ。」しかし、それは本当であろうか。人々は長きに渡り、姿勢は腰痛において何かの役割を果たしているのではないかと思い込んでいた。驚くべきことに姿勢と腰痛を結びつける研究から得られた証拠は弱いかもしれない。①我々の背中は自然にカーブしている。横から見るとS字の形をしている。②個人個人が自分自身特有の骨の形を持っていて、それによって身体の形は決まるのだ。③良い姿勢はそれらのカーブをまっすぐに伸ばしているということを意味すると考えられてきた。④複数の医者の意見を調査したある研究によると、適切な姿勢についてみんなが同意する唯一の基準は存在しないということが明らかになった。ある研究者は頻繁に姿勢を変えること、特に座っている時に姿勢を変えることは腰痛予防にとってはより大切だとさえ述べている。腰痛の主な原因はストレスと睡眠不足であり、その人の座り方ではないのだ。
まず下線が引いていない部分でどのようなことを述べているのかを考えましょう。ここは「姿勢と腰痛には関係性があるのか」ということ問うているが実は「姿勢と腰痛を結びつける研究の証拠は弱い」ということを言ってます。
①は「背中はカーブしている」②は「骨の形が身体の形を決める」ですが、①は人の背中はカーブしてるものだと言っているのに、②は一人一人違うと言ってるのでここで②は違うと考えられますね。
さらに②は怪しいので、取り除いて①と③とのつながりから考えると、「良い姿勢はそれらのカーブを・・・」とあり①のカーブともつながりますね。しかも④は適切な姿勢についての唯一の基準はないと言ってることがら、下線部の前で述べていた、「姿勢と腰痛を無水つける研究の証拠は弱い」につながりますね。
問3
文明の発展における最も重要な特徴の1つは食べ物の保存である。豚の足をハムとして保存することはそのような例の1つである。現在世界の多くの国々はハムを生産しているが、いつ、そしてどこでハムの生産は始まったのであろうか。①多くの人は中国人が生の豚肉を塩漬けにしたと記録した最初の人類であると言うことで功績を認めているが、その一方でいやそれはガリア人であるという人もいる。ガリア人とはヨーロッパ西部に暮らしていた。②それ以外でよく使われている味付けは胡椒である。胡椒は食べ物の保存においても同じようにうまく機能しているのだ。③ローマ時代までにそれはうまく形作られた慣習になったというのはほとんど間違いはないようだ。④古代ローマにおけるある有名は政治家は紀元前160年という早い時期にに”ハムの塩漬け”について詳しく書いた。その起源がどうであれ、ハムのような保存食は歴史において人類の文化が進化し、深く根付く手助けとなったのだ。
下線までの部分は「文明の発達には食べ物の保存が大きく関わっているが、その1つの例はハム作りであり、それはいつどこで始まったのか」とあります。ということでハム作りがいつどこで始まったのかという、ハム作りの歴史が書いてあるのかなーと思えますね。
ということは①は中国人かガリア人かわからないけどハム作りの記録を残した人類であるということは OKデスネ。しかし、②になぜか胡椒が・・・・
歴史でもないので②がいらないと考えられますね。②を除外して③を考えると「ハム作りはローマ時代までには確立された慣習だ。」とあり、これも時の流れを表していて、④はそれをさらに深掘りしているのでやはり②になりますね。
いかがでしたか?このように考えていくと不要文が自然に選べますね。もう少し深く学びたいならこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
第三問Bの解答解説和訳
アキラ:やあ、みなさん。お越しいただいてありがとう。今日皆さんにここへお集まりいただいたのは我々の年に一度のチャリティイベントに向けてどのように募金を集めていくかということについてのアイディアを考えていただきたいからなのです。できるだけ多くのお金を集めるためにこの夏1ヶ月ほどあります。何かお考えはありますか?
テレサ: どうかしら。この地域の中でodd jobsをするのはどうかしら?
アキラ: それはなんですか?僕は聞いてことないんですが。
ジェンナ:わあ。この日本では一般的ではないのね。なんでもいいのよ。そうね、家の周りのことをすることなの。例えば、草刈したり、窓を洗ったり、ガレージを綺麗にしたりみたいなことよ。私は高校生の頃アメリカに戻って一夏で300ドル稼いだわ。ご近所さんの庭のお仕事をしたの。それから時々お願いされてクリーニングを取りに行ったり、日用品のお買いもの行ったりして街中を駆け回ったりするの。若者にとってはお小遣いを稼ぐのにかなりよく使われる方法なの。
アキラ:そっか。ジェンナ。君は「・・・・・・・・・・」ということを言ってるんだね。
ここで問題になります。ということでジェンナが言ってることをまとめればいいわけです。
若者がいろんなことをして小遣い稼ぎをするということを具体例であげている部分だな!と考えてから選択肢を見ます。さあ、わかりましたか?
① 庭を綺麗にすることはかなり価値のある仕事である。
② 家族間で家事の分担をすることは最善である。
③ 色々な仕事をランダムにすることはお金を稼ぐ1つの方法だ。
④ ガーデニングはアメリカでは確実に利益になるものだ。
しっかり読めていると簡単ですね。では次に行きましょう。
ジェンナ:そうね。日本でもうまくいくんじゃないかなと思うわ。
ルディ:ここでは多くの学生が地元の企業でバイトしてるよね。レストランやコンビニで働いているかもしれないね。odd jobsとはそういう仕事とは違うよね。どちらかといえば、ヘルパーみたいな感じだよね。形式ばらない働き方だね。助けた人から直接お金をもらうんだ。会社からじゃなくてね。そしてどんな仕事をしたいかは自分自身が決められるんだよ。
マヤ:でも危険じゃない?普通は自分が知らない人の家に入るたがらないわ。添えにもしお金を払ってもらえなかったらどうするの?どうやって稼いだお金を手に入れるの?
ルディ:すべての仕事が家の中の仕事ってわけじゃないよ。君が気楽にできる仕事を選ぶことができるんだ。僕の経験では今までに騙されたことはないよ。基本的に僕らは僕らの住んでいる地域の人のために働くんだよ。だからある程度は顔見知りってこと。そういう人は大抵その地域に長く住んでいるお年寄りなんだ。僕はいつも現金で支払ってもらってたから使えるお金が手に入れられてすごく嬉しかったんだよね。
テレサ:この地域にはたくさんのお年寄りがいるわよね。お年寄りは誰かが重いものを運んでくれたり、ただ単に親しげな顔を見るだけでもきっと嬉しいと思ってくれると思うの。そんな人たちが私達をうまく利用しようとするなんて思えないわ。一般的に言ってもたいていの人って正直で優しい人だとは思わない?
アキラ:我々はあまりに心配しすぎるべきではないって感じだね。何故なら「・・・・・」だから。
ここではマヤが少し不安に思ってることについて他のみんなが大丈夫だよ。と言ってどういう仕事なのかということを具体的に言ってくれているところですね。つまり「地元に住んでいるお年寄りのお手伝いをするのだけど、仕事は家の中だけでもないし、危険もほとんどないよ。」ということを言ってくれてますね。ということで選択肢を見てみましょう。
① お年寄りは僕たちの仕事に不安を感じるでしょう。
② 近所の人に仕事を求めるの恥ずかしい。
③ 自分のコミュニテイで働くことにはほとんどリスクはない。
④ 街の中の企業で働くなら安全だろう。
これもうまくつかめましたね。
ダン:ボランティアの仕事なのにお金をもらってもいいの?お年寄りには僕ら自身の親切な心から働くべきじゃないのかな?人を助けるということはそれ自身が自分にとっての報酬になると僕は思うけど。
カナ:もし私たちが初めから私たちの目的、つまりチャリティイベントのためにお金を集めたいと説明すれば、皆さん喜んで手伝ってくれると思うわ。それに時給5000円くださいと請求しているわけではないし、一時間500円で提案するのはどう?どこかの会社に頼むよりはずっとお得だわ。
マヤ:税金は払わなくてもいいのかな。もし行政が見つけたらどうなっちゃうの?
ジェンナ:法律を破ってはいないと思うけど。どっちにしろアメリカではそういう風にやっているわ。でも念のために税務署の人には聞いてみましょう。
アキラ: OK. みんな素晴らしい意見をありがとうね。だいぶ前進したね。今日提案されたことから考えると、僕らが次にすることは「・・・・・・・」だよね。
さあ、ここで「・・・」に入る言葉の内容は選択肢を見なくてもわかりますね。「地域の人の役に立つことをしながらお金を集めていくこと。そのための具体例を探すこと」みたいな意味かなと思いながら選択肢を見ていくと・・・
① 互いに心から正直になることを考えること
② 高い賃金のアルバイトを探すこと
③ 無料で近所の人たちに便利なサービスを提供すること
④ 地元の地域に役に立つ計画を考えること
①は言ってないし、②はodd jobsと言ってるので違う。地元の人の役に立ちながらお金を稼ぐのがodd jobsなので ③ 無料でするのではないですね。そもそもお金を集めなければいけないので。
④はここまでの流れに合いますね。
まとめ
さあ、解いてみていかがでしたか?段落ごとに意味をつかむとてもいい問題だと思います。みんなが話し合っている内容の流れをしっかりとつかめるようになるといいですね。
私立大学の入試でもこのような会話文の内容をつかむものは少し形を変えて出てきたりします。
もう少し詳しくこのような問題を解くコツを知りたればこちらをご覧くださいね。