センター試験の第5問は小説や物語文です。物語をいかに楽しみつつ、問題を解いていくか。このスタンスで読むようにすると目的意識を持って読むことができるので楽しいし、なおかつ正しい答えが導けます。
さあ、問題を用意して解いていきましょう。
物語文を読もう!!
物語は楽しく読みましょう。深く読むために問題文を利用しましょう。そうすることで物語がより深く読めるはずです
問1
筆者は山へ戻ろうとし続けた。なぜなら・・・
どんな話なんでしょうね。早速読んでみましょう。
2,3週間前に私は飼っている犬を連れて山をハイキングをしていた。その時に何か予測もできないようなことが起こって私は彼を見失ってしまった。私は探して探して探しまくった。しかし犬を見つけることはできなかった。彼は私ととても長い間一緒にいたので私は自分の魂の一部を失ってしまったような気がした。
その日からずっと私は不思議な感覚を味わっていた。それは悲しみを超えるものーきちんと理解できない感情であった。まるで何かが私に山へ戻るんだと引っ張っているかのようなそんな感覚であった。だからその機会を得るたびに、私はリュックをつかんでその山が私に何か安心感を与えてくれるかどうか確かめたのだ。
さあ、ここまで読んでわかりましたか?何か不思議な感覚が自分のことを山へ戻るんだと引っ張ってる感じがしたのですね。ここまでわかってから選択肢を見るととても簡単に答えが選べますね。
① 説明のできない衝動を彼女が感じていたから
② おじいさんと会う計画を立てていたから
③ 手品の練習ができると彼女が思っていたから
④ 彼女はそのクマについて調べたかったから
問1の答えは①ですね。
では次の問いを見てみましょう。
問2
筆者の直近の登山で最初に起こったのは次のうちのどれですか?
ではその出来事を探しながら読んでみましょう。
ある晴れた朝、私は山の麓に立っていた。この日は何かが違っている気がした。「お願い!私のことを許して」私は大きな声で叫んだ。「あなたのこと見つけるからね!」私は深呼吸をして不思議な引っ張る力がどんどん強くなるのを感じながら旅を始めた。私がよく知っていると思っていた道に沿って歩くと、どういうわけか見慣れない場所に自分がいることに気がついた。私は少しだけパニックになってしまい、足を踏み外して転んでしまった。どこからともなくおじいさんが私のところまで駆け寄ってきて私を助け起こしてくれた。
さあ、ここが旅の始まりの部分ですからここで選択肢を見るといいですね。
① 彼女は大きく開けた場所に着いた。
② 彼女は山の頂上まで登った。
③ 彼女はクマが走って逃げるのを見た。
④ 年配の男性に助けられた。
この段落で書かれていることは④しかないですね。つまりこの旅の最初に起こったことになります。この後全文を読んで起こった順に並べると文を最初から最後まで読むと③(この出来事の前)④-①-②となりますが、この段階で④だとわかりますね。
答えは④ですね。
それでは次の問いを見てみましょう
問3
筆者の犬と年配の男性との間でどんな類似があるのかということが話されたのか?
ではその類似性を探しながら読んでみましょう。
彼の優しく微笑んでる顔を見て、私は安心感を覚えた。おじいさんはその山の頂上に行く道を探していたところなんですよと言った。だから私たちは一緒に山を登ることにした。
間もなく道は再び見慣れたものになり始めた。私たちは色々なことを話した。その中には私の犬についてのこともあった。私はおじいさんに私の犬はジャーマンシェパードであると伝えた。私の犬はまだ若かった頃に警察犬としてしばらく働いていたが、怪我をして辞めざるを得なかった。おじいさんは笑い出し、彼も短い間だったけど警察官だったけど辞めてしまったと言った。理由は語らなかった。そのあとは彼はボディガードとして長く過ごしてきた。さらに彼のルーツもドイツにあった。私たちはこれらの類似性に笑ってしまった。
these similaritiesということで、複数の類似性があることがわかりますね。一つは「Germanというドイツ系だ」ということ、そして「警察で働いていた」ということですね。
ということで選択肢を見てみましょう。すぐにわかりますね。
① 彼らは仕事場で負傷した経験があった。
② 彼らは最近家族ぐるみの近しい友人を失った。
③ 彼らは筆者の知り合いだった。
④ 彼らは市民を守るために働いていた。
警察官とは書かれていませんが、警察官の仕事は市民を守ることなので④が答えですね。
では次の問題を見てみましょう。
問4
本文で用いられている下線部の引いてあるrang in the airは次のうちのどの意味と最も意味が近いのは次のうちどれか。
下線部の意味と同じものを探すという問題はよくありますが、ここは与えられた言葉ではなく文脈をしっかりとらえながら読んでいって、このような意味がここに合う!というということがわかれば、自然に選択肢から選べますね。
では本文を読んでいきましょう。
気がつかないうちに私たちは大きく開けた場所に着いていた。私たちは休憩をとった。私はおじいさんに何が私の犬に起こったのかを話した。「彼は小さな鈴を首輪に付けていたのです。クマよけです。」私たちはまさにこの場所に来て、そしてクマを見たのです。クマは私と犬の方へ振り向きました。私は犬を抱きかかえておくべきだったの。だって危険を感じて彼はクマの後を追いかけたからです。そのあとはどうしても彼のことを見つけることができなかったんです。もっとわたしが気をつけておけばよかったのに」
私がその話をしている途中で、その人の表情は変わった。「それは君のせいではないよ。君の犬はただ君を守りたかったんだ」と彼は言った。「きっとTomoは君にことのことを伝えたかったんだと思うよ。それから諦めないでいてくれてありがとう。」
Tomoは私の犬の名前である。私はおじいさんに彼の名前を言ったかな?おじいさんの言葉は.[........................................]
この後の段落も少し読んでみましょう。
私が何か尋ねるよりも早く、おじいさんは私に急いで山の頂上まで登ろうと提案した。数週間前に私が犬と一緒にやろうとしたことであった。そこから二時間以上歩いて私たちは頂上にたどり着いた。私はリュックを置いてそして私たちは座って壮大な景色を眺めた。おじいさんは私を見て言った。「山というものは本当に魔法のような経験を与えてくれるね」
ここまで読んでみると、おじいさんに自分の犬の名前を言った覚えは自分でははっきりしていなかったので「あれ?なんでTomoって言ってるの?」と思ったはずです。それから「ありがとう」と言ってくれたことが、筆者の心に引っかかったところですね。
ですから、そのことをおじいさんに尋ねたかったけど、おじいさんは早く行こうと促していたという流れなので、やはり「心に引っかかった。心に残った」ということだとわかりますね。
ではここで選択肢を見てみましょう。
① 幸福をもたらした
② 印象を残した
③ 大きな音を立てた
④ 不愉快に感じられた
ここは静かな山の美しい空気の中でベルが鳴って、ハッとした・・・そんな感じかもしれませんね。最後まで読むとこのことがはっきりするかな。
さあ、最後の問いです。
問5
直近での山を登り始めて家路につくまで経験でどのように筆者の気持ちは変わったのだろうか?
私はそのあたりを見回して休憩できる場所を探した。多分私はかなり疲れていたのだとおもう。なぜなら私はすぐに眠りに落ちてしまったからだ。私が目覚めた時、おじいさんがいなくなってしまっていることに気がついた。私は待った。しかしおじいさんが戻ってくることはなかった。
突然、日の光の中で何かが私の目を捉えた。そこまで歩いて行くと私は小さな金属のタグが私のリュックの横になるのを見た。そのタグは私の両親が最初に私のいぬに与えたシルバーのネームタグと同じものだった。そこには「トモ」と書いてあった。
その時だった。私は後ろで懐かしい音を聞いた。それは小さなベルが鳴る音だった。私は振り返った。それを見た瞬間にいろんな感情が私に一気に押し寄せた。
しばらく山の頂上で過ごした後に、私は私の古くからの友人にネームタグをつけ、気をつけながら家路へと向かった。山がくれた贈り物は私のそばにあった。私の魂はとても満ち足りていた。
選択肢を見てみましょう。ここは登山し始めた時から終わった時にどう思いが移り変わっていったかということで、文脈からプラスのイメージのものを選ぶと考えられますね。
① 彼女は落ち込んでもっと悲しい気持ちになった。
② 彼女は決意してそれから安心した気持ちになった。
③ 彼女は希望に満ち溢れていたが、それからホームシックになった。
④ 彼女は絶望的な気持ちだったが愉快な気持ちになった。
ここは山を登る時の気持ちと山登りが終わった後の気持ちの変化で、最後のパラグラフでMy soul felt very much complete.とあるようにプラスのイメージなので、①と③は❌、始めた時の気持ちは第3段落の二行目で筆者が”I'll find you"と言っているのでこれがヒント。このI'llはI willの省略ですが、willには「意志」の意味があります。だから「絶対に見つけるよ」という強い決心があったわけです。と考えると②が答えになりますね。
まとめ
答えは②です。
最後まで読めましたね。お話を深く読むことができると、必然的に答えはしっかりと選ぶことができます。ring in the airの意味も最後まで読むとわかりましたね。what I sawとはなんだったのでしょう。
そしてI attached the name tag to my old friend
のmy old friendはなんだったのでしょう。多分 a tiny bellがついたhis collarだと思います。そのcollarを自分の飼っていた犬と考えたのでしょうね。
もう少し物語文をどうやって読むのか知りたい方はこちらもご覧くださいね。